
「薬剤師の海外医薬品相談室」ブログへようこそ! 前回は、個人輸入で起こりがちな税関トラブルとその対処法についてお話ししました。万が一に備えることの重要性をご理解いただけたでしょうか。
今回は、個人輸入をオンラインで行う上で最も重要なことの一つ、「信頼できるサイトの見極め方」に焦点を当てます。インターネット上には便利なサイトがたくさんある一方で、残念ながら詐欺サイトや危険なサイトも存在します。安全に個人輸入を楽しむために、賢いサイト選びの目を養いましょう。
1. サイト選びの基本ルール:ここだけは譲れない!
まず、どんな個人輸入代行サイトを利用する際にも、最低限確認すべき基本ルールがあります。
- 「個人輸入代行」であることを明確に表示しているか?
- 医薬品の個人輸入代行は、薬機法上の許可が必要ないため誰でも行えますが、自らが販売者であるかのように装っているサイトは危険です。あくまで「個人輸入のサポート」を行う業者であることを明記しているか確認しましょう。
- 運営会社の情報が明記されているか?
- 会社名、所在地、電話番号、メールアドレスなど、運営元の情報がきちんと記載されているかを確認しましょう。情報が不明瞭なサイトは避けるべきです。
- 日本語でのサポート体制があるか?
- 万が一のトラブルの際に日本語で問い合わせができるか、サポート体制が整っているかは重要です。連絡が取りにくいサイトは要注意です。
- プライバシーポリシーや利用規約が明示されているか?
- 個人情報の取り扱い方や、トラブル時の対応、キャンセル・返品規定などが明確に記載されているか確認しましょう。
2. 危険なサイトの兆候:こんなサイトは要注意!
「あれ?何かおかしいな?」と感じたら、それは危険信号かもしれません。以下のような兆候が見られるサイトは、特に注意が必要です。
- 価格が極端に安い
- 「ありえないほど安い」「大幅な割引がずっと続いている」といった場合、偽造品や粗悪品を扱っている可能性があります。適正価格からかけ離れている場合は疑いましょう。
- 日本語が不自然・誤字脱字が多い
- 機械翻訳のような不自然な日本語や、頻繁な誤字脱字が見られるサイトは、海外の詐欺グループが運営している可能性が高いです。
- 誇大広告や断定的な表現が多い
- 「絶対に治る」「副作用は一切ない」「夢のような効果」など、医薬品としてはありえないような誇大な表現を多用しているサイトは信用できません。
- 決済方法が限定的すぎる
- クレジットカードが使えず、銀行振込など特定の決済方法しか選べない、あるいは海外の個人名義の口座への振り込みを促すサイトは危険です。
- レビューが極端に良い、または少なすぎる
- 「全員が最高の評価をしている」「不自然な高評価ばかり」といったレビューは、サクラの可能性があります。逆に、全くレビューがない、または数年前のレビューしかない場合も警戒が必要です。
- SSL化されていない(URLが「http://」から始まる)
- URLが「http://」で始まり、鍵マークが表示されていないサイトは、通信が暗号化されていません。個人情報が盗み見られるリスクがあるため、利用は絶対に避けるべきです。URLが「https://」で始まるか確認しましょう。
- 問い合わせへの返信がない、または遅すぎる
- 購入前にテストで問い合わせをしてみて、対応の速さや丁寧さを確認するのも一つの手です。
3. 購入前に必ず確認すべきこと【チェックリスト】
サイト選びの基本と危険な兆候を踏まえ、最終的に購入ボタンを押す前に、以下の点を最終確認しましょう。
- 商品の詳細情報が十分か?
- 製品名、成分、製造元、内容量、有効期限などが明確に記載されていますか?
- 服用方法や注意点が明記されているか?
- 日本語での用法・用量や禁忌事項、注意すべき副作用などが簡単にでも記載されているか確認しましょう。
- キャンセル・返品ポリシーは明確か?
- 万が一、誤った商品を注文してしまったり、商品に不備があった場合の対応が明確に示されていますか?
- 最終的な合計金額は明確か?
- 商品代金だけでなく、送料、手数料、関税(もし発生する場合)など、最終的に支払う金額が明瞭ですか?
まとめ:賢い選択で、安全な個人輸入を
数多くある個人輸入サイトの中から、本当に信頼できるサイトを見つけるのは至難の業です。しかし、今回ご紹介したチェックリストを参考にすることで、詐欺やトラブルのリスクを大幅に減らすことができます。
⚠️もし「このサイト、大丈夫かな?」と不安に感じたら、注文前にLINEでご相談ください。
危険なサイトを見分けるポイントをお伝えし、安全な選択をサポートします。
不安なときは
⚠️個人輸入は情報が出回りにくく、正確なことを調べるだけでも一苦労です。
そんなときはこちらから質問してください。あなたの疑問を解消できるかもしれません。
次回は、オンラインでの個人輸入において非常に重要な「個人情報保護とプライバシー」について詳しく解説します。どうぞお楽しみに!